地球は俺の家族中心に回っている

普通なことは書きません

僕の最強的非レム睡眠

 (この物語はバッドエンドです)

 僕は一度寝たらある程度のことじゃ起きない。

 福岡西方沖地震の時もそうだった。朝5時くらいに大きな地震が起こり、家のみんなが騒ぎ立てる中僕は、家(物体)が直接起こそうとしてくれているこの贅沢な状況下にあるのにも関わらず、スヤスヤ夢の中だ。僕が起きたのは母が僕の背中を叩いた瞬間だった。

 マレーシアに一ヶ月交換留学に行った時もそうだ。大学の寮に泊まったのだが、そこのベッドは腐る程(腐ってはない)ノミだらけな状態であり、そのことを事前に知っていた他の留学生らは日本から持ってきていたブルーシートを履いて寝る準備をしていた。僕は適当な性格かつ面倒くさがりなので、軽く虫除けスプレーを撒いて寝た。もちろんそれだけでは対策できないのだが、結果、快眠すぎて逆に寝坊した。自分は朝起きて始めて全身ノミに刺されていることに気づき、ところどころ赤くなっているのを見て始めて痒いと思った。他の留学生たちは対策を取っているのにもかかわらず、十分に寝られていない人もいた。

 

 僕はこの性質は、寝坊さえしなければメリットしかないと思っていた。昨日の夜までは。

 

 今日の朝、5:30頃母に起こされた。父が頭から血を流しているというのだ。すぐ一階におり、父の世話をした。父の額から目の横にかけて大きく切り口が入っており、床は局所的に血だらけであった。見ると棚の一部が欠けており、そこに頭をぶつけたと考えられた。

 父はもともとトイレなどに1人で行こうとすると転んでしまうことは重々承知だったので、トイレの時はボタンを押してチャイムを鳴らすように指示していた。

 しかし昨夜は鳴らさず、自分でトイレに行こうとしていた。この理由については、また後ほど記述する。

 深夜帯から早朝にかかる時間帯だったが、緊急病院に連れて行くことになり、結果頭を何針か縫う大怪我、脳内出血もしているということで入院になった。

 父の脳の病気については後日このブログ上にまとめておこうと思う。

 

 そして、この父の行動には2日前の夜の出来事がトリガーになっていた。

 2日前の朝、異常に雪が積もった寒い日だった。いつも寝ているお座敷は、すぐ横が窓になっており、早朝から雪で遊ぼうと子供達が騒いでいた。父はその騒音に耐えることができず、その日の夜はお座敷ではなくリビングで寝たいと提案した。

 僕は布団をリビングに移すことを提案した。

しかし母はあまり乗り気ではなかった。

この家のリビングは隣が祖父母の部屋であり、夜中になると祖父が大きく声を出すということが最近起こり始めていたからだ。

 しかし父が半ば強引にリビングが良いと主張しするため、リビングに布団を移すことになった。そこで母は、祖父母の声が原因で真夜中に父に起こされ、布団を移動させられるのを恐れ、次の日に何も予定のなかった僕がチャイムのスピーカーを持って寝ることを提案した。母は朝早く朝食の準備、祖父母の世話などをしなければならないことを僕は知ったいたので、僕は何も考えずにそれを引き受けた。

 

 真夜中、チャイムがなったが僕は起きなかった。

 

 早朝、父は機嫌を悪くして僕を責め立てた。僕は申し訳なく思い、今後気をつけようと気を引き締めた。結局その日の夜はリビングから元々寝ていた場所であるお座敷で寝ることになった。

 

 今朝、スピーカーを持っていたのは母だったが、前日のことが心に残っていた父はチャイムを鳴らさず、1人でトイレに行こうとした結果血を流して倒れていた。

 実はこれ、俺のせいなんだよな

 

昼から大学に向かう予定の俺は、1人病院から家に帰りお座敷の掃除をしたが、血が媚びりついてどれほど拭いても綺麗に取れなかった。

 

 どうか俺を呪わないでくれ。いつか父は居なくなる。しかしお座敷に行くたびにその血を見ることになるだろう。そこでおそらく毎回思うんだ。どうか俺を呪わないでくれ。

 父は今どう思っている?頼むから落ち込まないでくれ。神様を信じてくれ。神を信じるということに関しては俺が信じるよりも、信じやすいはずだ。信じるだけで救われる。それを信じるだけでいいから。

 

脳内出血が原因で父の脳の病状が悪化していないことを願う。

 何も考えずにある程度のことは引き受けてしまう自分の性格は負しか生み出さない。

 床についた取れない血痕だけでCDアルバムを一枚作れそうだ。